MWSF05 Special Finished!


MWSF05基調講演特別番組は無事終了しましたね。お疲れ様でした。
特にずーっとトークをしていただいた、しらいしさん、お疲れ様でした。
反省点もあるのですが、総じてオッケーだったように思います。
では、順不同で、気づいた点から、、、(どうしてもシステムデザインの観点に偏りがちになることはお許しを)
1)よかったこと総括
・IP電話会議室
  IP電話会議室→ストリーミングという手法はとりあえず成立して、新たな番組構成を可能とした(少なくとも私一人がしゃべるという状態から脱却)
・しらいしさんのMC
  さすがプロのナレーター!ジングルも良かった!  
・東さんの現地レポート
  大部分で音は割れていたけど、臨場感があって面白かった。
・業務用iChat部屋
  非公開で各種連絡が円滑に出来た
・webチャット
  異様に盛り上がってた模様(私自身は目を通す余裕がなかった)
・複数ISPとサーバー自身のルーター化
  サーバー用に2つ、クライアント用に1つのISPをBフレッツ上で使っており、サーバー自身にサーバー側のルーターをさせていたため、昨年のようなネットワーク負荷により、クライアントが外に出れないという問題は回避できた(VoIPのプチプチ音は別の問題でして、後述)
・生中継の最大瞬間聴取者数、約1600人
  上記ネットワークのおかげで、Bフレッツ一本ながら、一軒の家でこれだけのクライアントに配信できたのは、凄いと思う。(ちなみに内訳はQuickTime 940、WindowsMedia 230、Real 220、Shoutcast 190)
  また、webへのアクセスは11日・12日合計で、230,000クリック、45,600ページビュー、9,600人のユニークビジターを記録(これも凄くない?)
・広報の成功?
  RBB Today経由でYahoo!に載ったのは大きかったかも(記事の文面も上手に要約されていたし)
・生中継イベントとして成立
  個人的には最近、生中継イベントそのものに懐疑的だったのですが、動画がなくても、即時性を求めるイベントではラジオ生中継でも成立するという事実がうれしかったです。
2)反省点の総括
・X-Liteのプチプチ音
  これはしゃれにならなかった。ただ、これはAsteriskの負荷でもネットワーク負荷でもなくて(間接的にはそうだが)、SIPとNATの問題です。これは後ほど詳しく解説します。
・現地リポートの音割れ
  これも強烈でした。米国の携帯電話とのやり取りの経路は二つで、1つは日本のIP電話回線でAsteriskから米国へ電話をかける経路、もう1つは米国のVoIPプロバイダと契約し米国の電話番号からパケットでAsteriskへ転送される経路でした。現地からの音声が割れていたのは後者の経路でして(前者の経路では音声に問題はなかった)、恐らく米国国内の電話変調レベルが日本国内のものと合わなかったのかも知れません。今後のこと(WWDCでも現地レポートやる?)もあるので、Asterisk内の設定で回避できるかどうか調査してみます。
・BGM等ミキサーの調整
  すいません、これは私が不慣れなだけでした。確かに某氏がMIXIで書いているとおり、ミキサーのオペレーターを一人つければ完璧な解決策でしょうけど、それは何とか私が今回の経験を生かして慣れて行こうと思います。
・米国サイトのフォロー
  私の米国サイトのフォローが遅かったという意見がおありと思います。ただ、私は5箇所を同時に見ていて、それぞれにアップデートをかけていたので、一箇所あたりのタイミングが外れることはあったと思います。これを回避するには私以外に米国サイトをチェックして、トークしていただく人間があと二人ぐらいいて分担して欲しいところです。
・リレーサーバーなし
  今回は観客が少ないだろう(前回が1200人で、情報の質が落ちる今回は増えるわけ無い)と思ってたのですが、逆に放送内容に希少価値が生まれたのか、前述のとおり昨年を上回る同時接続数でした。これにより、観客が少ないと見込んで、リレーサーバーの手配、確保にある意味力を注がず、結局、自宅のサーバーのみの配信となりました。
  かなり処理できたとはいえ、ネットワーク負荷を高めたことは事実です。次回からは早めに告知しますので、MLメンバーの皆さんもリレーサーバーの協力をよろしくお願いします。
・しらいしさん・メンバーに多謝
  各種の不具合に関しメール、チャットで批判を受け、それに対してMCとして謝る立場になってしまった、しらいしさんに申し訳なく思い、感謝しております。また、チャットでフォローを入れてくれたMLメンバーにも感謝です。
3)その他
・DSSのクライアント数にヒヤッ
  先にQuickTimeの接続数がピーク時で940ということを紹介しましたが、実はLinux版のDSSってOS上の制約から1000クライアントが限界なんです。1000以上接続されると、DSSがぶっとぶ(フリーズして制御不能になる)ということをstreamingloadtoolによる負荷実験で以前に確認していたので、生中継中に940という数字を見て相当びびっていた私。
・サーバー負荷はデカイ
  実は今回の中継に使ったサーバーは1台のみで、Asterisk、DSS、Helix DNA Server、Shoutcast、webがFedora Core上で、さらにFedora Core上のVMwareでWindows Server 2003が動作し、そこでWindowsMedia Serviceが動作するという構造でした。
  また前述のとおりサーバーがPPPoEで接続するISPは二箇所でして、AIRnet上でにDSS(IPその1)、Helix DNA Server、WindowsMedia Service、Shoutcast、webが動作し、Asahi-net上でAsterisk、DSS(IPその2)が動作していました。
  サーバーのCPUはAthlon 64 3000+、RAMは1GBでして、通常は上記のサーバーが全て動作してもCPU負荷が2%以上にはならないのですが、今回の中継はさすがに負荷が高かったのか、CPU負荷が常時50%をキープしてました。特にPPPoEが10数%になっていたことにセッション数の多さが反映されていたようです。
  ネットワーク負荷は当然上り方向で、AIRnetが24Mbps以上、Asahi-netが10Mbps以上、合計34Mbps以上の配信をしておりました(Asahi-net側はまだ余裕があった模様)。
  個人宅でこれが可能になるなんて凄い時代だなぁと感じた次第。
・Nokia 6630への生中継
  せっかく日本初の企画のはずだったが、他のことが忙しくて広報できなかった。残念。
  #だれかつないだ人いるかなぁ?
4)SIPとNATについて
  今回の中継で最大の失敗であるVoIP会議のプチプチ音に関してですが、(以下1月14日時点で修正)VoIPのエンジニアである友人のT氏と話したところ、私が思っていたようなSTUNサーバーの信号の問題ではなく、STUNサーバーがセッションを確保した後のRTPパケットの問題だとのことでした。
  STUNサーバーはX-Liteが立ち上がった当初のSIPセッションを手助けするだけで、音声通話中のRTPとSTUNサーバーは関係ないとのことなのです。で、状態を改めて説明したところ、「うーん、はっきりはわからん」としながら、通例SIPクライアントでプチプチ音が発生するのは、RTP(UDP上)パケットの順番や長さがばらばらで音声としての再構成が不調な場合だということで、ストリーミング配信でのサーバー負荷がLinux上のVoIPパケット処理手順での不整脈のみたいな状態を引き起こしてしまったのかも?とT氏は話していました。また、QoSは必ずしもVoIPに有用ではなく、先のパケット順序不整を生みかねないとして、改善策にはならないだろうとの見解を示していました。
  というわけで、改善策はとりあえず、重要な通話は別ネットワーク経由にするということぐらいかもしれません。
  現在SkypeとAsteriskとの相互接続を別PCと専用ハード経由で検討中です(専用ハードは既にそろえておりますが、着手する時間もなかったし、今回必要とは思ってなかったので未着手)。これだとNATにかかるSIP問題とは無縁ですし、我が家のサーバー側ネットワークではなくクライアント側ネットワークを経由できるので、帯域的にもトラブルフリーになるとおもいます。ただし、欠点は対応人数は1名ということです。ですから、絶対に音声が欠落してはいけない参加者(今回の場合はMCしらいしさんかな)にこの仕組みでつないでいただくという方針が適切かと思います(それ以外の方はSIPフォンで我慢してください)。
  ちなみにTiger版iChatAVの導入をMacユーザーなら考えがちですが、私は今のところ賛成しておりません。というのが、iChatAVはSIPもどきのプロトコールを使い、現状でもNATに対しての対応が成功したり、失敗したりするので、生中継番組につながらない人も出るかと思い、SIP+STUNの方がまだましという印象だからです。また、まだ不明ですが、多数で会話数場合、中央で会話を統括するサーバーが無い構成だと、個別に複数クライアントに接続し、Asteriskを経由させる場合に比べ、帯域の無駄遣いにつながる可能性もあると思っています。また、携帯を含む一般電話との会議もiChatAVではできませんしね。
  というわけで、この点に関しては改善が必要ですので今後も研究し、次回にはより良い中継がお送りできるようにしたいと思っています。
5)感想
  恐らく日本での基調講演関連イベントとしては最大のものになったと思います。前回2004年よりも聴取者数が増えたというのは驚きですが、新システムが可能にした新たな番組形態の可能性をさらに追求して、よりこのイベントが発展できればと思っています。
  批判も含めお客様が来てくれる事が、次のイベントへの原動力になりますので、朝までお付き合いいただいた、お客様に感謝したいと思います(本当は今回でこのイベントも終わりかなぁ?と思っていたのですが、そういう不安は吹き飛びました)
  ともあれ、みなさんお疲れ様でした。